好熱性放線菌Thermomonospora fusca KP1280における耐熱性ペクチン質分解酵素の生産
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
培養温度40-60℃で生育し、細胞外に著量のペクチン質分解酵素を生産する好熱性放線菌(KP1280)を土壌試料より分離し、その分類学的諸性質を詳細に検討して、Thermomonospora fuscaに属する菌株と同定した。5.0%ポリガラクチュロン酸,0.5%ペプトン,0.1%酵母エキス,0.3%KH_2PO_4を含む酵素生産の至適培地(pH 7.5)を用いて、KP1280を60℃で振とう培養後、60時間で酵素の生産が最大になった。6mM CaCl_2の存在下でポリガラクチュロン酸の分解活性に対する最適温度は、80℃であった。またpH6.8, 7.5mM CaCl_2の共存下で酵素を各温度で30分間熱処理したところ、75℃まで活性を100%保持していた。酵素反応を経時的に追跡した結果、ポリガラクチュロン酸より不飽和結合を有するウロン酸の生産が観察された。これはendopectate lyaseの関与を示すものと考えられる。同時に基質溶液の粘度が75%まで減少していた。これらの特性から、カルシウム塩等が混入している天然果汁の清澄化への本酵素の応用が期待される。
- 日本食品化学学会の論文
- 1999-11-27
著者
-
瀧井 幸男
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
-
植野 憲子
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
-
木村 恵
京都府立大学農学部農芸化学科
-
熊淵 吉郎
京都府立大学農学部農芸化学科
-
瀧井 幸男
武庫川女大
-
瀧井 幸男
武庫川女子大学
関連論文
- 女子高校生のビタミンD受容体遺伝子多型に対する意識と食生活調査
- 好熱性放線菌Thermomonospora curvata KP1246に於けるセルラーゼ成分の生産と細胞内局在性
- 土壌分離糸状菌Scopulariopsis brevicaulis MIB301によるバレイショ組織のマセレーション
- 植物性食品に存在する抗糖尿病因子の開発と利用に関する研究 (学術研究助成による成果) -- (一般公募による学術研究助成)
- 植物性食品に存在する抗糖尿病因子の解析に関する研究
- 植物性食品に存在する抗糖尿病因子の解析に関する研究
- 液体培養系におけるグルコアミラーゼ高生産麹菌株の取得
- 好熱性放線菌が生産する糖質分解酵素遺伝子のクローン化と大腸菌に於ける発現
- ***におけるアルデヒド脱水素酵素遺伝子分布と体質判定法の検討
- ヒト爪および唾液細胞内アルデヒド脱水素酵素遺伝子の同定
- Aspergillus oryzae MIBA316糖質分解酵素の精製と性質
- コメデンプンと日本人 (特集号 食料と燃料の共存は可能か)
- 米食と日本人の健康
- 好熱菌由来糖質酵素の機能変換による新規なオリゴ糖の調製
- 好熱性放線菌Thermomonospora fusca KP1280における耐熱性ペクチン質分解酵素の生産
- Bacillus sp. MIBO10によるα-グルコシダーゼの生産 : 酵素
- 若年女性の隠れ肥満を形成する食行動と遺伝的要因の検討
- 種々の植物種組織におけるキチナーゼ活性の差異