食品添加物公定書におけるクリーンアナリシス、特にハロゲン化物イオンの検出に用いられるクロロホルムの代替え有機溶媒の検討
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概要
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現在、地球環境と実験者の健康の保護のためにクリーンアナリシスが提唱されている。食品添加物公定書では、クロロホルム、ベンゼン、水銀化合物など人体や環境に有害な試薬が多くの試験項目において使用されている。これらの有害試薬を食品添加物公定書から全て除外することが理想的であるが、代替えとなる適当な試験法が無かったり、試薬を代えることにより規格そのものあるいは製品の合否判定に大きな影響を与えることもある。また、新しい試験法を個々に開発するためには膨大な時間を必要とする。従って、一度に全項目について全ての有害試薬を除外することは困難であり、試験法及び食品添加物ごとに個別に検討を行う必要がある。今回は、第六版食品添加物公定書で使用されているハロゲン化物イオンの検出に用いられるクロロホルムの代替え有機溶媒について検討を行った。一般試験法の臭素酸塩の定性試験、各条の中の純度試験の項目である臭化物及びヨウ化物の試験法のうちクロロホルムを使用しているものについて、酢酸エチル、ジエチルエーテル、石油エーテル、n-ヘキサンを用いて試験を行った。いずれの試験項目においてもn-ヘキサンの使用が可能であり、n-ヘキサンを用いることによりクロロホルムに比較して70-80%の感度で同様の色調の結果が得られることが判明した。従って、第六版食品添加物公定書中でクロロホルムを用いるハロゲン化イオンの試験すなわち、臭素酸塩の定性反応試験法(各条中の臭素酸カリウムの確認に適用)及び臭化物とヨウ化物の検出(各条中の塩化カリウムの純度試験に適用)にはクロロホルムの代替え溶媒としてn-ヘキサンの使用が可能と考えられる。
- 日本食品化学学会の論文
- 1996-03-29
著者
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