分子動力学法によるGeO_2/Ge界面のモデリング : SiO_2/Si界面との違い(レギュラーセッション,ゲート絶縁薄膜,容量膜,機能膜及びメモリ技術)
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概要
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GeとOの任意の混在系を再現する原子間相互作用モデルを開発し、この相互作用モデルを用いた分子動力学シミュレーションでGeO_2/Ge界面の大規模模型を作製した。Ge,O混在系用原子間相互作用モデルは、我々が以前開発したSi,O混在系用原子間相互作用モデルに変更を加え、第一原理計算で見積もったクラスタ分子の変形エネルギーを再現するようにデザインしたものである。原子間相互作用モデルを設計する過程で、Ge,O系の結合エネルギーおよび結合角強度は概ねSi,O系に比べて弱いこと、ただしGe-O-Ge架橋酸素原子構造の結合角のみSi-O-Si角に比べて硬いこと、が明らかとなった。この原子間相互作用モデルを用いてGeO_2/Ge界面とSiO_2/Si界面の模型を作製し、酸化膜中のストレス分布、結合角のヒストグラム、欠陥密度の比較を行った。その結果、酸化によって誘起される歪はGeO_2/Ge界面の方が小さく、界面欠陥の密度もSiO_2/Si界面よりも低い値に落ち着いた。即ち、GeO_2/Ge界面の方が優れた界面を形成しうる、という結論が得られた。本稿では、Ge,O系とSi,O系それぞれの原子間相互作用の特徴から、酸化誘起歪の違いが生じた理由について議論する。
- 2009-06-12
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