迷走神経求心性神経の3型セロトニンリセプターはサイトカイン誘発の発熱に関与する
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概要
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リポポリサッカライド(LPS)による発熱機序を明らかにする目的でウレタン/クロラロースで麻酔した雄ウィスター系ラットにLPSが誘導するとされるサイトカイン(IL-1β, TNFα,INFγ)を静脈内に投与し深部温と尾部温を測定した。さらにセロトニン3型リセプター(5-HT3)アンタゴニストであるラモセトロンまたはグルココルチコイドであるプレドニゾロンを前投与し、サイトカイン誘発の発熱に対する効果を検討した。1) IL-1β(0.5〜2.0µg/kg)は用量依存性に深部温を上昇させたが、尾部温は上昇も低下もさせなかった。2) TNFαはIL-1βの最小有効濃度の10倍の濃度(10µg/kg)で深部温を上昇させた。3) 10µg/kg のIFNγは低体温を惹起した。4)ラモセトロンはこれらサイトカイン誘発の体温上昇を有意に抑制した。5) グルココルチコイドもサイトカイン誘発の体温上昇を有意に抑制した。これらの結果はサイトカイン誘発の発熱はLPS誘発の発熱と同様に、5-HT3を介するグルココルチコイド感受性機序で起こることを示している。よってLPS誘発の発熱はLPSに誘導された内因性IL-1βとTNF-αなどのサイトカインがエンテロクロマフィン細胞に作用した結果、放出されたセロトニンが迷走神経求心性神経終末部にある5-HT3型リセプターに作用して起る可能性を示唆している。
- 2009-06-25
著者
-
森 圭介
長崎大学医学部学生(平成18年度リサーチセミナー)
-
松屋 啓二
長崎大学医学部学生(平成19年度リサーチセミナー)
-
松永 知恵
長崎大学医学部第一生理学教室大学院生
-
松本 逸郎
長崎大学医学部第一生理学教室
-
松本 逸郎
長崎大学医学部生理学教室
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