酸性線維芽細胞増殖因子はラット迷走神経内臓求心性線維のセロトニン3型受容体を介して体温を上昇させる
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概要
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酸性線維芽細胞増殖因子(acidic fibroblast growth factor; aFGF)を無麻酔・無拘束下でラットの静脈内に投与し,体温と行動量をテレメーターシステムを用いて記録した. さらにaFGF誘発の発熱のメカニズムを解析するためにウレタン・クロラロース麻酔下でaFGF投与後の深部体温と尾部体温の変化を観察した. 自由行動中の動物の体温は揺らぎつつ暗期に高く,明期に低い行動量と生理的体温リズムを示した. 消灯直前に100ng/kg aFGFを投与すると約30分の潜時の後,体温が上昇しはじめ1時間30分後には生理的体温変動の最高値よりさらに1.6℃上昇しピークに達した. この高体温は約3時間かけて生理的暗期高体温まで低下した. しかしaFGF誘発の高体温は翌日の明期の低体温期と暗期高体温期まで36時間以上持続し,生理的体温を約0.5℃程度押し上げた. 迷走神経の肝・門脈枝を切除した動物ではaFGF誘発の発熱は大部分が消失し,肝枝と胃枝を併せて切除した切除した動物では完全に消失した. aFGF投与の前にそれぞれメチルプレドニゾロン(10mg/kg,ip)又はセロトニン3型受容体(5-HT3r)の拮抗薬であるラモセトロン(5ug/kg,ip)を前投与した動物ではaFGF誘発の発熱が有意に減弱した. これらのデータはaFGFが消化管の炎症性シグナル物質として働き,aFGF誘発の炎症情報は迷走神経求心性神経線維の肝臓枝と胃枝の終末部にあるセロトニン3型受容体を介して中枢へ伝達され発熱を起こすことを示唆している.
著者
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松永 知恵
長崎大学医学部第一生理学教室大学院生
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松本 逸郎
長崎大学医学部第一生理学教室
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芳賀 菜未香
平成16年度リサーチセミナー
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松永 知恵
長崎大学環境科学部環境保全講座
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松本 逸郎
長崎大学医学部生理学教室
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芳賀 菜未香
平成16年度リサーチセミナー(長崎大学医学部4年)
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友森 俊介
平成16年度リサーチセミナー(長崎大学医学部3年)
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