余等ノ腸管内部局所刺戟ニ因スル腸管運動變化ノ一新檢索法ニ就テ
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概要
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從來施行セラルル數多ノ腸管運動實驗的檢索法ハ殆ムド凡テ腸管外部ヨリノ刺戟ノタメニ生ズル該運動ノ變化ヲ觀察セシムルニ過ギズシテ,腸管内腔ニ於ル刺戟ノ影響ノ研究ニ臨ミテハ殆ムド用ヲナサズ.余等ハ種々ノ化學的藥劑ノ腸管内腔粘膜ニ於ル純局所的刺戟ノ具体的檢索ニ關スル業績ノ乏シキニ鑑ミ茲ニ新法トシテ下記ノ實驗方法ヲ創案セリ.即チ家兎腸管ヲ小腸下部ノ最廣闊腸管膜具有部ヲ撰定シ,之ヲ約30-40cm.兩端的ニ曠置シ,該曠置部ノ兩端ヲ腸瘻トシテ上腹壁ニ固定シ,非曠置部兩斷端ハ小硝子管ニテ吻合シ,腸閉塞ヲ防ギ,曠置部ノロ腔端ヨリ各種藥品ノ豫メ驗温(38℃.)ニ加温セル溶液2cc.以下ノ量ヲ腸管内壓ノ上昇及ビ機械的刺戟ヲ可及的避クル樣ニ注想シツツ極メテ徐々ニ注入シ該藥品ガ該部腸管運動ニ及ボス影響ヲ腹側外腸管懸垂法ヲ用ヒテ觀察セリ.本法ニ基キテ余等ガ諸種有機色素ニ就キテ行ヒシ實驗成績ハ己ニ本誌第12巻第2號ニテ於發表セシ處ナリ.余等ハ一般ニ藥物ガ腸管運動ニ與フル影響ハ運動ヲ描畫セラルル腸管ガ曠置セラルルト否トニ於テ時間的ニモ形態的ニモ著シキ差異アルヲ認ムル事ヲ得ザリキ.主トシテ中樞作用ヲ有セル藥劑ハ之ヲ腸管内ニ與フルヨリモ靜脈内ニ與フル方ガ影響迅速ニ現ハレ且迅速ニ消失ス.末梢作用性藥劑ニ在リテハ反對ナリ.コレ吸收排泄ノ遲速ノ度ヨリ推察シテ極メテ當然ナリトス.(附圖參照)或ル藥劑ガ腸管内ニ輸入セラレ,之ガ該内腔粘膜ヲ局所的ニ刺戟スル際腸管運動ニ如何ナル影響ヲ生ズルヤノ問題ハ特ニ腸管麻痺ノ臨牀ニ於テ極メテ重要ナリ.余等ノ上記ノ實驗方法ハコノ問題ノ具體的且系統的探究ニ一ツノ新タナル方策ヲ吾人ニ提示スルモノト信ズ.
- 京都府立医科大学の論文
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