腸管運動ニ及ボス有機色素ノ影響研究補遺
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概要
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あくりぢん色素及ビ他ノ色素例之Methylenblau等ヲ腸管内腔又ハ膀胱,尿道等ノ消毒ノ目的ニテ内服セシムルコトハ從來,外科竝ニ泌尿器科領域ニテ行ハルル處ナリ.然ルニ此レラノ色素ガ腸管内ニ輸入セラレ,腸管内腔粘膜ヲ刺戟スル際腸管運動ニ如何ナル影響ヲ及ボスヤハ甚ダ重要ナル事項ナルニ拘ラズ,之ニ關スル具體的且系統的ナル研究ハ極メテ稀有ニ屬ス.余等ハ今般,家兎ヲ使用シ下部小腸管ヲ約30乃至40cm.曠置シ該曠置腸管ノ兩端ヲ腸瘻トシテ上腹壁ニ固定シ,此處ヨリ種々ノ有機色素ノ溶液(0.5%)ヲ2ccm.宛ヲ徐々ニ注入シ,此レガ該腸管運動ニ及ボス影響ヲ山田柿沼氏法ヲ用ヒテ探究セリ.本實驗成績ヲ綜括スレバ次ノ如シ.1)多數ノ有機色素ハ腸管運動ヲ亢進セシメ,小數ノモノハ是ヲ減弱セシム.2)腸管内壓ノ上昇ト機械的ノ刺戟トヲ可及的避ケツツ本實驗ヲ行ヒタル成績ニ基キ,有機色素ノ腸管内腔注入ガ腸管運動ニ及ボス影響ヲ次ノ6型ニ分類スル事ヲ得タリ.3)第1型ハ腸管壁ノ緊張ヲ増加セシメ,且ツ腸管運動ヲ著シク亢進セシムルモノ.Malachitgrun, Brillantgrun, Kristallviolett, Gentianaviolett, Methylenhlau, Methylgrun及ビPhenolphtalein之ニ屬ス.4)第2型ハ腸管壁ノ緊張ヲ増加セシムルモ腸管運動ニハ著シキ影響ヲ及ボサザルモノ.Safrain, Methylviolett, Methcurochrome之ニ屬ス.5)第3型ハ腸管壁ノ緊張ヲ増加セシムルモ,腸管運動ヲ一時的ニ稍々減弱セシムルモノChrysamin, Benzopurpurin之ニ屬ス.6)第4型ハ腸管運動ヲ稍亢進セシムル作用ノミヲ有スルモノ.あくりぢん色素,Methylorange, Chrysoidin之ニ屬ス.7)第5型ハ腸管緊張竝ニ腸管運動ニ何ラ認ム可キ影響ヲ與ヘザルモノ.Toluidinblau, Eosin, Magenta, Diamingrun, Trypanblau, Methylenbraun, Biomarokbraun, Neutralrot, Kongorot, Indigokarmin是ニ屬ス.8)第6型ハ腸管運動ヲ一時的ニ梢々妨グルモノ.Anilinblau, Metaningelb之ニ屬ス.9)色素ノ靜脈内注射ト腸管内注入トハ腸管運動ニ及ボス影響ニ於テ兩者ノ成績ノ一致ヲ見ル事ハ稀ナリ.
- 京都府立医科大学の論文
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