家兎生體腸管内粘膜面ニ注ガレタル諸種強心藥ノ血壓及ビ腸管運動ニ及ボス影響ニ就テ
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概要
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諸種強心劑ガ血行ニ及ボス影響ニ就テハ既ニ幾多先人ニ依リテ研究發表サレタル所ナリ.而レドモ之レガ腸管運動ニ及ボス直接,間接ノ作用ニ關シテハ二三ヲ除キテ未ダ充分ナル報告アルヲ聞カズ,而モ之等ハ何レモ皮下又ハ靜脈内注射ニ依ルノ成績ニシテ直接生體腸管内粘膜面ニ作用セシメテ以テ腸管運動ノ如何ニ消長スルカヲ究メタル研究ハ未ダ之ヲ見ズ.茲ニ於テ余ハ既ニ發表セル余ノ腸管運動研究一新法ニ依リテ實驗ヲ重ネ大約次ノ如キ興味アル結果ニ到達セリ.1)ぱんぎたーる,こんぶあろん,くろーるばりうむ,こらみん,安息香酸なとりうむかふえいんニ於テハ注入後直ニ多クハ1乃至2分後腸管運動ハ著シク亢進セラレ,且其ノ振幅ノ増加緊張ノ上昇等頗ル著名ナリ.然レドモ一方血壓ニアリテハくろーる,ばりうむ及ビこらみんノ2劑ハ注入後數分ニシテ血壓ノ上昇ヲ來スモ他ノ3劑ハ血壓ニ見ル可キ變化ナシ.2)かろなじん,ぢぎたみん,ぢぎふおりん,かまふえとん,がたみん,こふえいん,ぢすとにん等ノ注入ニ於テハ多クハ1乃至2分後腸管運動ハ稍々亢進ス.而シテ血壓ニアリテハこふえいんノ注入ニ依リテ數分後上昇シ,かまふえとんノ注入ニヨリテ2乃至3分後血壓ハ下降ヲ示ス,他ノ5劑ハ血壓ニ見ル可キ影響ナシ.3)ぢぎたりす葉,硫酸すぱるていん等ニ於テハ腸管運動ニ大ナル影響ヲ與ヘズ,而モ之等2劑ハ血壓ニモ殆ド影響ナシ.4)へきせとんノ一定量注入ニ依リテ數分後腸管運動ハ幾分抑制セラル.而モ一方血壓ニアリテモ亦數分後下降ヲ示ス.5)くろーるばりうむ,こらみん,かふえいんノ3劑ニアリテハ注入2乃至3分後其ノ多クガ腸管運動ヲ亢進スルト同時ニ一方ニ於テハ其ノ血壓ヲモ上昇スルコトヲ知レリ.6)要之,斯カル諸種強心劑ノ生體腸管内粘膜面ニ作用セラレタル際ニハ其等ノ作用發現スル時間的關係ニヨリ一部ハ直接運動神經ヲ刺戟シテ,又一部一度吸收セラレテ後ニ血行性ニ腸管運動ヲ刺戟スルモノナラン.
- 京都府立医科大学の論文
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