駿河湾大瀬崎沖から採集されたサチコツグチ
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概要
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ウミウサギガイ科は刺胞動物に付着して生活し,殻の表面が常に外套膜に覆われているため美しい種が多い。日本産のウミウサギガイ科は多様性が高く, Higo et al. (1999)によれば127種も記録されている。このグループは十分な数の標本を集めることが難しく,全体的に研究が進んでいない。特に種分類は,過去に細分主義の研究者によって多数の学名が提唱されており整理が必要である。ところで,今回紹介するサチコツグチPhenacovolva hirasei (Pilsbry, 1913)は,特徴的な殻形態を持つが,あまり知られていない種のひとつである。本種はPilsbry(1913)によって「土佐」から記載され,過去に文献上に記録されている分布域は紀伊半島以南の水深100-300mである(Higo et al, 1999: G1373;奥谷・佐々木, 2000: p.223)。国外ではLiltved (2000: P.129)により南アフリカからも記録されている。今回,本種が駿河湾大瀬崎沖から確認されたので報告する。
- 日本貝類学会の論文
- 2006-10-10
著者
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