消化機能評価における呼気中水素ガス濃度の意義

概要

論文の詳細を見る
本研究では,食物繊維の摂取量と排便状況に着目し,呼気中水素ガス濃度の違いを比較検討することを目的に,事前調査により便秘群(=A群・4〜5日に1回排便)5名と非便秘群(=B群・1日に1回排便)7名を被験者とし,生体ガス(呼気,口腔内)H2測定器BAS-200を用いて,呼気中水素ガスを測定し,検討を行なった。本研究では,便秘群の方が呼気中水素ガス濃度が高値を示した。便秘群・非便秘群の両群において,夕食後,夕食後3時間,就寝前の呼気中水素ガス濃度が上昇し,睡眠後は下降する傾向にあることが示唆された。その後,便秘群において,日常的に野菜を摂取している群と摂取していない群に分けて比較検討を行なった結果,日常的に野菜を摂取している群において,呼気中水素ガス濃度が高値を示した。また,便秘群において日常的に野菜を摂取している群と非便秘群を比較検討した結果,便秘群で野菜を多く摂取している群の方が非便秘群よりも高値を示した。以上のことから,栄養代謝における呼気中水素ガスの新たな挙動が明らかにされた。また,大腸癌や高コレステロール血症などさまざまな病気の予防に寄与している食物繊維の,生体に対する新たな現象が確認されたことは非常に意味深いことだと推測された。上述の結果より,生体内ガスと栄養代謝の新たな可能性が見出された。この点に,本研究の新規性があることを示した。

消化機能評価における呼気中水素ガス濃度の意義

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク