小児交互性片麻痺におけるflunarizineの影響に関する行動薬理学的研究

概要

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小児交互性片麻痺(Alternating Hemiplegia of Childhood)は、乳幼児期から左右交互に麻痺、痙攣、発作、意識障害及び過感受性がみられる疾患で、認知されている患者数が著しく少ないということも影響し、臨床医学領域のみならず基礎医学領域においても研究が遅れているのが現状である。また、特効薬として知られる非選択的な電位依存性のCa^<2+> channel blockerのひとつであるflunarizineについては、本来の適応症において重大な副作用の懸念から製薬会社による再申請が実施されなかったために承認が取り消されている。そこで、この研究ではflunarizineの小児交互性片麻痺に対する効果を検証するため神経精神薬理学的観点からラットにおける葛藤(コンフリクト)行動、自発運動量、血圧、痙攣、受動的回避反応、正向反射及び痛覚への影響を調べた。その結果、flunarizineは一部の痙攣に対する抑制効果並びに葛藤(コンフリクト)行動の改善作用が認められるものの、自発運動量、血圧、受動的回避反応、正向反射及び痛覚には影響を示さず、筋弛緩作用も有していなかったことから、小児交互性片麻痺に対して抗痙攣作用、抗不安作用及び意識障害改善作用に貢献していることが示唆された。