山村社会の持続と森林資源管理の相互関係についての考察(テーマ:地域資源の総合的管理をめざして,2005年春季大会論文)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
山村社会は多様であり,森林資源管理問題の発現と主体形成を探るためには地域研究が必要である。本稿では,第一に,熊本県の県単事業に対する市町村の取り組み差,第二に,宮崎県諸塚村の山村集落と住民意識を踏まえて,森林認証取得に至る同村の展開について考察した。その結果,(1)皆伐放棄地は主に,不在村所有が優越した市町村で発生しており,山村社会の持続という課題と切り離されていること,(2)それ以外の地域では林家の家産意識が森林管理放棄の歯止めとなり,山村地域社会の持続意識と結びついていること,(3)山村分析には集落単位の世帯経営分析と個人レベルの考察を組み合わせることで,現段階の山村危機の様相と同時に資源管理の新たな主体を論じうること,(4)諸塚村ではUターンの30〜40歳代の中から双方向ネットワーク型の新たな主体が形成されることによって,様々な構想が打ち出され,その実行段階では従来の地縁組織に依拠して森林認証取得まで至っていること等が明らかとなった。
- 2005-03-01
著者
関連論文
- 「森林環境税」による新たな森林整備に関する研究
- アジア森林パートナーシップの持続可能な森林経営に向けての取り組み : フェーズIの実態とフェーズIIに向けての課題
- 国際化する家具市場とラバーウッド利用の展開
- 原木需要の大規模化に伴う原木市売市場の機能変化 : 大分県日田地域と宮崎県都城地域を事例に
- 森林オーナー制度と資源管理主体 : 「芸北高原こもれびの森林オーナー制度」を事例に
- 山村社会の持続と森林資源管理の相互関係についての考察(テーマ:地域資源の総合的管理をめざして,2005年春季大会論文)
- 山村社会論から視た森林・林業政策(林業経済学会2010年春季シンポジウムコメント)
- 森林認証取得への期待と現実
- 討論要旨 (林学系3学会合同企画シンポジウム これからの日本の森林・林業を考える--新たな森林計画制度を取り上げて)
- 小規模所有者排除の「森林経営計画」の問題 (林学系3学会合同企画シンポジウム これからの日本の森林・林業を考える--新たな森林計画制度を取り上げて)
- 林学系3学会合同企画シンポジウム これからの日本の森林・林業を考える--新たな森林計画制度を取り上げて
- 特集 センサスにみる日本林業の構造と森林管理(9)二〇一〇年農林業センサスの変更点と林業経営体数の変化
- 「人の暮らし」が見えないプラン (特集 森林・林業再生プラン)
- 新たな森林保有政策と森林資源利用 : 2006年ベトナム,ネ・アン県を事例として
- 書評 山中進編 熊本大学政創研叢書3 山間地集落の維持と再生
- 地方自治体による森林・林業施策の展開と地域連携 (特集 森を守るのは誰だ)
- 集落を範域とした「森林交付金」制度の活用と課題 : 佐賀市富士町を事例として
- 原木市売市場の機能変化に関する考察 : 大分県日田地域を事例に
- 森林の多面的機能と「直接支払い制度」--森林整備地域活動支***付金制度の実績を踏まえて(下)
- 森林の多面的機能と「直接支払い制度」--森林整備地域活動支***付金制度の実績を踏まえて(上)
- 書評 古川彰著『村の生活環境史 関西学院大学研究叢書 第106編』
- 第一報告 山村社会の持続と森林資源管理の相互関係についての考察 (2005年林業経済学会大会春季大会シンポジウム 地域資源の総合的管理をめざして)
- 第2特集 森林・林業のゆくえ : 九州の現場最前線から(森と木と環境 Part 3,森林学会・木材学会公開シンポジウム)
- 宮崎県耳川流域における林家の存在形態と森林管理問題(統一テーマ:「国際化・分権化」時代の森林管理問題,1998年春季大会論文)
- 第108回日本林学会大会の開催にむけて
- ベトナムの森林再生・修復計画と山地少数民族 : ベトナム南部・LamDong省DonDuong地区における事例調査から
- 「分権化」時代における自治体林政の展開 : 熊本県の間伐対策事業の分析
- 小規模所有者排除の「森林経営計画」の問題
- 宮崎県山村地域住民の健康上の悩み・不安とその関連要因
- 伐採活動の土地所有履歴による差異と林地移動の定量的把握 : 大分県佐伯市を事例として
- 2011年夏に想う : 「森林・林業再生プラン」と林政研究(フォーラム「森林学の過去・現在・未来」(2))
- 伐採活動の土地所有履歴による差異と林地移動の定量的把握 : 大分県佐伯市を事例として
- 山村地域における高齢者の存在形態と地域おこしの課題 : 大分県上津江村の高齢者調査の分析
- 2000年代の都道府県造林費の変動とその団体間の差異に影響を与えた要因
- 「森林・林業再生プラン」の政策形成・実行段階における山村の位置づけ(テーマ:新政策の狙いと限界,2013年春季大会)
- 小規模所有者排除の「森林経営計画」の問題(これからの日本の森林・林業を考える-新たな森林計画制度を取り上げて-,林学系3学会合同企画シンポジウム)
- 森林管理の理念を求めて, 太田伊久雄著, 「アメリカ国有林管理の史的展開〜人と森林の共生は可能か」, 京都大学学術出版会, 三六二頁, 四五〇〇円
- 山中進編, 熊本大学政創研叢書3, 山間地集落の維持と再生, 成文堂, 2006年3月, 163頁, 2,625円
- 九州山村地域における消防団組織の現状と課題 : 消防団員の就業構造に着目して
- これからの日本の森林・林業を考える : 新たな森林計画制度を取り上げて(林学系3学会合同企画シンポジウム)
- 2000年代の都道府県造林費の変動とその団体間の差異に影響を与えた要因
- 「森林・林業再生プラン」の政策形成・実行段階における山村の位置づけ