自己評価と科学的概念形成の関係に関する基礎的研究 : 小学校6年生「からだのつくりとはたらき」における児童の記述分析を事例として
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概要
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本研究では,小学生の自己評価の繰り返し効果と,自己評価と概念形成の関係を調査する実験を行った。そのため,3つの小単元から構成される小学校6年生「からだのつくりとはたらき」の単元を取り上げた。そこで,小単元の授業前後にプレテスト,ポストテストを実施し,その比較による自己評価行う活動を1セットとし,これを3回繰り返した。ポストテストは学習内容の理解を調べるために実施した。また一連の学習終了後,3ケ月経過したところで学習内容の定着を調べるためにディレイドテストを行った。なお,学習内容の理解(ポストテスト)と学習内容の定着(ディレイドテスト)の点数が高い場合,本研究では概念形成が進んでいるとした。その結果,次の3点が明らかになった。(1)自己評価は,1回,2回,3回と繰り返すことで,その点数が上昇した。(2)自己評価の点数(1回から3回までの合計)とポストテストの点数の間には,正の相関があった。(3)自己評価の点数(1回から3回までの合計)とディレイドテストの点数の間には,正の相関があった。これにより,自己評価の繰り返しには効果があること,自己評価と概念形成の間には正の相関があることが明らかになった。
- 日本理科教育学会の論文
- 2006-03-31
著者
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