小学校における理数系を背景に持つ教諭の割合 : 大阪市立小学校を例にして
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概要
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大学や研究所の研究者等が小学校「総合的な学習」・「算数」・「理科」・「生活科」の教材研究用の情報を教諭に提供する際,教諭層のうち理数的な背景を持つ教諭がどの程度の割合で所属しているのか知っておくことは重要である.しかしながら,文部科学省や各教育委員会には小学校教諭の個々人がどのような専門的背景を持っているかを示す統計資料は存在していない.そこで,本研究では大阪市立小学校全303校を対象として理数系を背景に持つ小学校教諭がどの程度の割合で所属しているかを郵送によるアンケート調査法により求めた.その結果,数学(算数)および理科を背景として持つ教諭は全教論のうちそれぞれ約2.3%,約5.9%であり,特に理科を科目として考えると,物理,化学,生物,地学を背景として持つ教諭はそれぞれ約1.0%,約0.9%,約1.0%,約0.6%であった.各科目ともに少ないが,特に地学の低さが特徴的であることが判明した.小学校における主要8教科を考えると10数%の教諭がそれぞれ数学,理科を背景として持っていてもおかしくないが,理数系を背景に持つ教諭は合計でも10%強でしかなかった.以上から,「小学校教諭」の採用においても志願者の素養を考慮することが望まれ,志願者の学問的背景による教科毎のバランスを考える方法を検討することや,教諭の配置にあたって各教諭の専門性も考慮に入れることでより望ましい配置となり得る可能性が示された.また,研究者等が情報を発信する際には,理数的な背景が必ずしも得意でない教諭が約9割いる現状を認識して行う必要性のあることが示された.
- 2004-01-15
著者
-
根本 泰雄
京大防災研
-
柴山 元彦
大阪教育大学付属天王寺高等学校
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根本 泰雄
大阪市立大学大学院理学研究科
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柴山 元彦
大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎:(現)自然環境研究オフィス
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柴山 元彦
大阪教育大学附属天王寺中学校・高等学校
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根本 泰雄
大阪市大 大学院
-
根本 泰雄
School Of Earth Sciences Victoria University Of Wellington
-
根本 泰雄
京都大学防災研究所
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