日中両国の認知症高齢者のBPSDに関する比較検討

元データ 2008-06-25

概要

社会の高齢化が急速に進行する中国において,高齢者の認知症の実態,そしてそのことが家族に与える影響を把握するため,沈陽市蘇家屯の65歳以上の高齢者3432名を対象として認知症の有病率と認知症の行動心理学的症候(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia : BPSD)の有症率の調査を行い,日本で同様の方法で行なわれた調査の結果と比較した。中国における認知症の有病率は8.1%であり,日本での有病率10.6%よりやや低かった。BPSD全体の有症率は両国間で有意差は認められなかったが,不安,抑うつ,焦燥,依存などの感情面での変化と排泄に関して,中国での有症率が日本より有意に高かった。認知症は中国においても大きな問題となっているが,中国においては生活水準が依然として低く,日本と比べて高齢者の社会保障制度が不十分であることが,感情面でのBPSDに関して両国で相違が出た原因の一つとして考えられた。

著者

繁田 雅弘 首都大学東京
中村 紫織 東京慈恵会医科大学精神医学講座
中村 紫織 東京慈恵会医科大学 精神医学
中村 紫織 東京都老人総合研究所
王 淑娟 遼寧中医薬大学養生康復研究室
品川 俊一郎 東京慈恵会医科大学精神医学講座
鄭 洪新 遼寧中医薬大学養生康復研究室
繁田 雅弘 首都大学東京健康福祉学部
品川 俊一郎 愛媛大学 大学院医学系研究科脳・神経病態制御医学講座脳とこころの医学
品川 俊一郎 東京慈恵会医科大学 精神医学講座
王 淑娟 遼寧中医薬大学鍼灸推拿学院

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