自閉症児に対する「ありがとう」の自発的表出を促すルーティンを用いた言語指導 : 異なる場面での般化の検討を中心に

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概要

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本研究では、「ありがとう」の自発的表出がみられない、CA9歳2か月、MA3歳6か月の自閉症女児に対して、「学習・おやつ」ルーティンを用いて、「ありがとう」の表出の般化を目指した指導を約4か月間行った。その結果、ルーティン内の4つの場面に設定された「ありがとう」の表出が獲得された。また、プローブ、「自由遊び」場面、日常生活場面においても、般化が確認された。以上のことから、次のことが検討された。(1)参加児は、文脈を構成する個々の要素(例えば、要求物品を受け取る)と言語(「ありがとう」)との対応関係の習得が可能になった。(2)「ありがとう」が自発的に表出されるようになるためには、「ありがとう」の表出が求められる異なる場面を複数設定したルーティンを用いる方法が有効である。(3)「ありがとう」の表出の般化は、物の受け渡し場面においてみられやすいことが示唆される。
日本特殊教育学会の論文
2006-05-31

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