自閉症児における競争行動の獲得過程 : ジャンケン技能の獲得を中心に(実践研究特集号)

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
自閉症児の競争行動の発達やその困難が、彼らのジャンケン技能の発達やその困難に反映されていると考えた。そこで、「ジャンケンの機械的模倣」を示す、語い年齢が6歳6ヵ月の自閉症男児に対して、(1)勝敗概念の形成、(2)競争意識の成立、(3)勝敗関係(ルール)の理解、(4)ジャンケンの目的の理解という指導過程を設定して、ジャンケン技能の獲得を目指した指導を約2ヵ月間行った。その結果、「ジャンケンの機械的模倣」がみられなくなり、また勝敗の判断も的確にできるようになった。以上のことから、勝敗概念の形成には対象児の認知的発達水準を十分に考慮する必要があること、競争意識は勝敗概念が形成され、ゲームのルールが理解されることによって芽生えてくること、ジャンケンの目的を理解させるためには、勝敗関係が理解された後ジャンケン・カードを用いたジャンケンの指導を行うことが有効であることが検討された。
日本特殊教育学会の論文
1995-03-31

著者

関戸英紀
横浜国立大学

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク