養護学校在籍が肢体不自由児の態度変容に及ぼす効果
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概要
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小学校の普通学級に在籍し、手術等医療的なニーズで肢体不自由児施設に入所し、同時に養護学校に転入学した肢体不自由児を対象に彼らが障害や学校に対する態度をどう変容させたかを検討した。イメージ測定に有効なSD法を用い、養護学校転入直後(I期)、養護学校生活に慣れた時期(II期)、養護学校から再び小学校に転出した時期(III期)にそれぞれ調査を実施した。その結果次のような知見が得られた。(1)II期はI期と比較して呈示概念を多面(元)的に捉えるようになった。(2)入学時から養護学校に在籍する肢体不自由児と比較して、呈示概念個々を分化した捉え方をしていた。(3)SD尺度上では肢体不自由だけでなく、他の障害児等の評定をpositive方向に変化させた。以上の結果は、養護学校の在籍経験、換言すれば肢体不自由児との恒常的接触が態度の変容に関与していることを示唆している。また、本研究結果は、障害児との接触経験によって健常児の態度が変容したとする報告と一致した。
- 1989-06-30
著者
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安藤 隆男
Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba
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安藤 隆男
筑波大学
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安藤 隆男
Graduate School Of Comprehensive Human Sciences University Of Tsukuba
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安藤 隆男
筑波大学附属桐が丘養護学校
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