薩長と京都が「なんぽく」を江戸から北に追ったか : 札幌の地下鉄「なんぽく」線を考える
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概要
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サッポロ・オリンピックの直前に完成した,札幌の地下鉄「南北線」も,30周年を迎えた(2001年12月)。その頃は,札幌の人たちは皆,「なんぽく」線と呼んでいた。地下鉄の標識も"Nanpoku Line"であったと思っている。ところが,二年ほど前,地下鉄大通駅の標識が"Nanboku Line"となっていることに,偶然気付いて,びっくりした。初めは,交通局の間違いと思ったが,こちらの間違いであることが,分かった。何十年も,疑うことなく「なんぼく」と信じ,その間違いに気が付かないことに,二度びっくりしたのである。私だけの錯覚なのか。そこで,周りの同年輩の札幌出身の人たちに聞いてみる。皆,「なんぽく」である。しかも,私と同様に,何十年も「なんぽく」と信じて疑うことがなかった。この,まことに不可思議な,札幌の方言「なんぽく線」のことを,同窓会誌などに(資料1, 2),エッセーとして載せたところ,札幌だけでなく北海道,東北地方,関東,関西の,沢山の方々から,意見をいただいた。とくに,俳人の嵩文彦氏,国文学の工藤芳雄氏,英文学の久末弘氏,ケセン語研究者の山浦玄嗣氏,文筆家の遠間昌平氏からは,貴重な資料が寄せられた。ここに,これらの資料の一部と,私たちのその後の調査を記録しておきたい。この「方言」の不思議な現象の実体が,かなり見えてきたように思う。しかし,まだ分からないことが沢山あるようである。以下に述べることは,これらの資料をもとに,私たちの考えをまとめたものである。間違っているところは,また,ご指摘いただきたい。(資料の中で,[]の部分は,私たちが後から加えたものである。)
著者
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小田切 正
北海道浅井学園大学
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木下 眞二
School of Human Services, Asai Gakuen University
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木下 眞二
北海道浅井学園大学人間福祉学部
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小田切 正
北海道浅井学園大学人間福祉学部生活福祉学科
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木下 眞二
School Of Human Services Asai Gakuen University
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