菅季治 : 「文芸的心理学への試み」序説(その5)
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概要
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菅季治(1917-1950)は,若くして逝った北海道が生んだ哲学者であり,教師である。本稿は,ひきつづき菅の戦中における生活・思想・哲学のもつ意義をあきらかにすることである。とくに今回は,アミエル(H-F Amiel 1846-1881)について再度とりあげ,菅にとってアミエルとはなにか,について検証を行なった。キエルケゴールが,魂へのふかい洞察をもたらしたことについては,これまでみてきたが,アミエルの自然・人間観,社会観,自由論があたえた影響も深刻だと考えられたからである。(戦争について-読者には戦争下のなかであった-,あらゆる真理を解体するもの,誤謬たいして誤謬をたたかわせるもの,醜悪そのもの,と指摘したのも,アミエルだったことが忘れられない。岩波文庫(四)1879年3月3日参照のこと)こうして,到達した菅の思想・哲学の結節点である主体-主体関係論(前回,「相互承認論としてとりあげたが)について考察するとともに,両者がともに生きるために構想された,「場」とはなにかについてもふれ,その将来展望について,検討を行なっている。
- 北海道教育大学の論文
- 1999-02-10
著者
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