茶のこわ葉臭の深蒸しおよび火入れによる軽減効果
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概要
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地球温暖化にともなう秋から春にかけての気温上昇に対応するために最終整枝を1月上旬に行う場合は,一番茶新芽が不揃いとなり緑茶香気の品質を低下させるこわ葉臭の増加が懸念される.そこで,こわ葉臭の発生程度およびその軽減条件を検討した結果,秋から春までの加温栽培では一番茶新芽が不揃いとなること,不揃い新芽はこわ葉臭が増加することなどが明らかとなった.また,緑茶製造の最初に酸化酵素の不活性化を目的として実施する蒸しの時間を長くする深蒸し操作や,最終の仕上げ工程で香味の発揚をはかるために加熱する火入れ操作でこわ葉臭を軽減できることが明らかとなった.なお,こわ葉臭軽減に適切と考えられる条件は,蒸し時間は約90秒〜130秒,火入れ操作は120℃で約20分〜30分であった.香気成分を分析した結果,(E)-2-ノネナールおよび2-フェニルエタノールの含量がこわ葉臭評点と比較的相関が高かった.また,(E)-2-ノネナールの含量は深蒸しや火入れで減少した.
著者
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阿南 豊正
(独)農研機構野菜茶業研究所
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山口 優一
(独)農研機構野菜茶業研究所
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田村 保晃
(独)農研機構野菜茶業研究所
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澤井 祐典
(独)農研機構野菜茶業研究所
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水上 裕造
(独)農研機構野菜茶業研究所
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水上 裕造
農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶研
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