稲ワラの飼料利用に関する研究 : X.人工ルーメン消化法による栄養価値の評価

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稲ワラの簡易な栄養価値評価法を見いだすため,メン羊に基礎飼料としてフスマを1頭1日当たり400g与え,稲ワラ飼料を不断給餌とし,一般成分消化率,成分消化量,可消化エネルギー,および摂取量を測定した稲ワラ7点および青刈稲4点を用いて(以下両稲を稲ワラと略す),人工ルーメン消化法による稲ワラの乾物消化率との関係を検討した。結果は次のようであった。1)in vitro乾物消化率とin vivoの各成分消化率との相関関係は低くほとんど認められなかった。2)in vitro乾物消化率とW^<0.75>当たり各成分のin vivo消化量との相関関係は全ての成分が正の関係を示し,有意な成分は粗蛋白質(P<0.01),乾物および熱量(P<0.05)であった。3)またin vitro乾物消化率と稲ワラ中成分含有率と有意な相関関係を示した成分は,正は粗蛋白質とNDF-ADF(P<0.01),負はリグニン+粗珪酸と粗珪酸(P<0.01)であった。4)W^<0.75>当たり稲ワラ摂取量とin vivo消化率との相関関係もほとんど認められなかった。5)W^<0.75>当たり稲ワラ摂取量の稲ワラ中成分含有率との関係はin vitro乾物消化率とそれぞれの成分含有率との関係とほとんど同じ結果を示した。即ち稲ワラのin vitro乾物消化率ならびにW^<0.75>当たり摂取量に及ぼす成分は同じであった。6)以上のことから人工ルーメン消化法による稲ワラの栄養価値の評価は可能であり,またNDF-ADF,粗蛋白質,リグニン+粗珪酸および粗珪酸含量の高低からも推測できることがわかった。
日本草地学会の論文
1982-07-28

稲ワラの飼料利用に関する研究 : X.人工ルーメン消化法による栄養価値の評価

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