稲ワラの利用性向上に関する研究 : 第4報牛の第1胃内における稲ワラ中のセルロース,リグニンおよびケイ酸の消失率と乾物消失率との関係

概要

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牛の第1胃内における稲ワラ中のセルロース,リグニン,およびケイ酸の消失過程を成分個々ならびに成分相互の関係から量的に明らかにし,さらにこれら成分の消失率が乾物消失率とどのような関係にあるかを検討し,次の結果を得た。1.稲ワラ中のセルロースとリグニンは含有率の高いものほど消化率が低かった。ケイ酸の消化率は平均的含有率のものにおいて最も高く,含有率の高低両端のもので低かった。2.消失過程において,乾物消失率におよぼすセルロース,リグニン,およびケイ酸消失率の相関関係を求めた結果,乾物消失率に最も強く影響をおよぼす成分はセルロースで,次がリグニンであった。これらの係数は胃内投入1日後から高く,それぞれγ=0.824(P<0.05),γ=0.794であった。3.稲ワラ中のセルロース,リグニン,およびケイ酸含有率と乾物消失率との相関関係を求めたところ,いずれの成分においても胃内投入期間1日後から負の値を示し,3日後にはすべて負の有意性を認め,含有率の高い程,乾物消失率が低くなることを示した。4.麦ワラ,オーチャードグラス,およびラジノクローバにおいても,稲ワラ同様,セルロース,リグニン,およびケイ酸の多少が乾物の消失速度に影響することを認めた。
日本草地学会の論文
1975-04-25

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