南西諸島におけるイネ科飼料作物の栽培と利用 : II.ローズグラス,ギニアグラス,およびネピアグラスの乾物消化率および可消化乾物収量におよぼす生育季節および刈取間隔の影響

概要

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暖地型イネ科牧草ローズグラス,ギニアグラス,およびネピアグラスを1,2,および3カ月の3種の刈取間隔の下で栽培し,得られた可消化乾物収量(DDM)を,乾物収量,茎葉比,In vitroの乾物消化率(IVDMD)とそれらの季節変動との関係で比較検討し,DDM収量増大のために有利な刈取方法について考察した。乾物収量は,刈取間隔が長くなるにしたがって,ネピアグラスおよびギニアグラスでは増大し,ローズグラスでは3カ月刈りするとかえって低下した。各草種の茎葉比は,刈取り間隔が長くなるとすべて上昇した。ローズグラスの茎葉比は,いずれの刈取間隔の下でも気温の低い時朝には低下し,逆に,気温の高い時朝には上昇した。他の草種では,刈取間隔が長くなると一定の傾向が認められなくなった。年間平均IVDMDはネピアグラスが1番高く,これに,ローズグラス,ギニアグラスの順で続いた。また,刈取間隔が長くなると,各草種ともIVDMDは低下した。各草種のIVDMDは季節変動を示し,高温の時期には低下,低温の時期には上昇し,ネピアグラス以外の草種では,葉部のIVDMDが茎部より高くなった。年間合計DDM収量は,乾物収量の場合とは異なり,刈取間隔が長くなる程,ネピアグラスでは増大したものの,ギニアグラスでは減少の傾向さえ示した。ローズグラスの場合は3か月刈りが1,2か月刈りより減少した。また,DDM収量の季節変動も乾物の場合程顕著でなかった。以上の結果より,各草種のDDM収量増大のためには,ネピアグラスでは刈取間隔をある程度長くし,ローズグラスでは逆に短くする必要があり,ギニアグラスはあまり刈取間隔の影響を受けない草種であると考えられた。また,全草種,刈取間隔は気温の高い時期には早刈りする必要があると考えられた。
日本草地学会の論文
1982-04-28

南西諸島におけるイネ科飼料作物の栽培と利用 : II.ローズグラス,ギニアグラス,およびネピアグラスの乾物消化率および可消化乾物収量におよぼす生育季節および刈取間隔の影響

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