南西諸島におけるイネ科飼料作物の栽培と利用 : 1.ローズグラス,ギニアグラスおよびネピアグラスの乾物収量におよぼす刈取間隔および生育季節の影響

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暖地型イネ科草ローズグラス,ギニアグラスおよびネピアグラスを1,2および3か月の3種の刈取間隔で栽培し,得られた乾物収量におよぼす刈取間隔と環境要因の影響について検討し,これら3草種の乾物収量増大のために有益と考えられる知見を得た。ローズグラスおよびギニアグラスの草丈の伸長は約60日の生育で停止したが,ネピアグラスは90日の生育でも伸長を続けた。年間合計乾物収量はネピアグラス,ギニアグラス,ローズグラスの順で多く,刈取間隔が長くなるにつれてネピアグラスでは増収したが,ギニアグラスおよびローズグラスでは2か月刈りが最大となり,これに3か月刈りが続いた。月別乾物収量をみると,ローズグラスでは9〜3月が低く,4〜6月が高い。ギニアグラスでは1〜2月が低く,8〜9月が高い。ネピアグラスでは,11〜12月に低く,4〜8月に高い月別乾物収量を示した。水分含有率はネピアグラスが最も高く,これにギニアグラス,ローズグラスの順で続き,各草種11〜5月が低く,6〜10月に含有率が高くなる季節変動を示した。以上の結果より,ローズグラスおよびギニアグラスは再生約30日以上60日以内に刈取り,ネピアグラスは60日以上の再生期間の後刈取ると年間合計乾物収量が高くなると考えられた。また,各草種の月別乾物収量と気温および雨量との関係から推定すると,ローズグラスは旱魃に弱く,平均気温が25・6℃以上になると乾物生産量が低下する草種であると考えられた。また,ギニアグラスは旱魃に強く,高温になる程高い乾物生産量を示し,ネピアグラスは旱魃にはやや弱いが,高温になる程高い乾物生産量を示す草種であると考えられた。
日本草地学会の論文
1982-04-28

南西諸島におけるイネ科飼料作物の栽培と利用 : 1.ローズグラス,ギニアグラスおよびネピアグラスの乾物収量におよぼす刈取間隔および生育季節の影響

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