オーチャードグラスの耐寒性検定法
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概要
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北海道においては牧草の越冬性に関与している要因として,耐寒性は雪腐病抵抗性と共に大きな比重を占めている。オーチャードグラスの幼植物の耐寒性検定法を確立することを目的として24品種を供試して試験を実施した。発芽後3週間経過した幼植物を13日間のハードニング処理(3℃・8時間日長)した後,3水準の凍結処理(-14℃,-12℃,-10℃各16時間処理)を試みた。その後1ヶ月間温室で再生育させ,個体の生存率を調査した。その結果,-14℃処理では全個体枯死した。-12℃処理では北欧とカナダ産品種は半数前後の個体が生存したが,その他の品種は大きな被害を受けた。-10℃処理では北海道農試育成品種の生存率が40%前後を示し,品種間差異の検出も最も容易であった。以上の結果より,厳寒地を対象とした適品種選定と極強個体の選抜を目的とする場合には-12℃処理を用い,道央地帯向けの品種選定と劣弱個体の淘汰のためには-10℃処理を適用することが妥当と認められた。
- 日本草地学会の論文
- 1980-10-31
著者
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