簡易セルラーゼ法によるソルガム新鮮葉の消化率

概要

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ソルガムの新鮮葉を直接セルラーゼ溶液に浸漬し,簡易に消化率を評価する方法(簡易セルラーゼ法)の可能性を検討した。2組のisogenic系統,bloomとbloomlessおよびbrown midrib-18(bmr-18)とNormal-18(N-18)を供試し,第4,第7,止葉の各時期に最上葉直下の展開葉を採取し材料とした。各葉を新鮮葉の状態で1%セルラーゼ液(pH 4.0の酢酸緩衝液を使用),あるいはルーメン液(ルーメン液2:McDougall緩衝液5)に直接浸漬し,24時間消化させた。一方,2ステップ・セルラーゼ法で7葉と止葉期に同上葉の粉砕サンプルの消化率を求め前者の結果と比較した。簡易セルラーゼ法ではbloomlessとbmr-18がbloomやN-18より高い消化率を示した。ルーメン液の場合は止葉期でセルラーゼ法と同様な傾向を示したが,第4と第7葉期ではbmr-18とN-18が逆転し,また一部bloomlessとbloomの間の関係にも逆転がみられた(Table 1)。2ステップ・セルラーゼ法では7葉と止葉期のいずれの時期でもbloomlessとbmr-18がbloomやN-18より高い消化率を示し(Table 1),簡易セルラーゼ法と2ステップ・セルラーゼ法の消化率間には高い正の相関が認められた(Table 5)。したがって消化率推定の簡便法としては簡易セルラーゼ法が簡易ルーメン法よりすぐれている。簡易セルラーゼ法の消化率は2ステップ・セルラーゼ法の消化率の1/3〜2/3と低かったが,一方消化率の系統間差は2ステップ・セルラーゼ法よりも簡易セルラーゼ法による方が大きいこともあり(Table 1),消化率推定の簡便性も加わり,消化率について多数系統を選抜する場合は簡易セルラーゼ法の方が有利である。また簡易セルラーゼ法では現時点では止葉期の葉を用いた結果が最もすぐれていたが(Table 4と5),幼植物の葉を使用した方が消化の難易性がより明確に示されることから,消化率に対する幼苗検定の可能性が示された。さらにセルラーゼ可消化部分は染色可能であり,単位葉面積当りの染色面積の評点により消化の難易性を大量かつ迅速に判定できる可能性が示唆された。
日本草地学会の論文
1978-04-30

簡易セルラーゼ法によるソルガム新鮮葉の消化率

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