北海道畑作の所得と農地資本利得
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概要
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北海道畑作の農業調整の過程を所得面,資産面から検討するため,畑作所得と農地資本利得の推計を行った。畑作所得は1980年まで加速的に成長したが,73年までは規模拡大と生産性の向上が所得成長の要因であった。そしてこの間に,産業間の所得格差は解消された。74年以降,支持価格の大幅な上昇は交易条件を改善させ,勤労者の所得水準を大幅に上回るほどに畑作所得を上昇させた。このことは農地資本利得についても同様で,年平均の資本利得は74年以降9倍に上昇した。70年代後半は,所得と資産価値の上昇によって,農家の資金調達力を高めたであろう。この時期の機械化の進展は,こうした条件によって支えられた。しかし,その後の所得と資産価値は低下傾向をたどっている。近年の生産性の向上も,こうした傾向に歯止めをかけるものとはなっていない。すでに始まっている農家の規模間格差の拡大は,さらに進行するものと考えられる。
- 帯広畜産大学の論文
- 1995-06-28
著者
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