北海道における泥炭土壌の化学的性状に関する研究(第4報) : 泥炭土の一般理化学性

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北海道の主要泥炭土より採取した泥炭土56試料について,理化学的諸性質を測定し,泥炭土と有機質土壌物質の種類,分解度,腐植化度などとの関連性について検討した。その結果を要約すれば次のとおりである。1)泥炭土の理化学的性質は,泥炭土の種類のみならず,それらの分解度,腐植化度および無機物混入度合によって相違した。すなわち,泥炭土の分解度および腐植化度は低位泥炭土>中間泥炭土>高位泥炭土の順に増加する傾向にあった。それらに対応し,仮比重,灰分量,全窒素量,全燐量,Ca/Mg比およびpH(KCI)は増加し,有機物量(灼熱損失),C/N比およびC/P比は減少する傾向にあった。しかし,CEC,置換塩基総量および塩基飽和度は泥炭土の種類による相違はみられなかった。高位泥炭土と他の泥炭土の間では理化学的性質の相違は明瞭であったが,低位泥炭土と中間泥炭土の間ではさほど違いは認められなかった。2)有機質土壌物質は,理化学的性質のうち,繊維含量および腐植化度と最も良く対応していた。ファイブリック物質とサプリックおよびヘミック物質との間には,理化学的性質に明らかな違いが認められたが,サプリックとヘミック物質の間には繊維含量,腐植化度,仮比重,灰分量,全燐量およびC/P比以外の理化学的性質に違いは認められなかった。3)分解度の指標である繊維含量と理化学的性質の間には,CEC,塩基飽和度を除けば,いずれも0.1〜5%有意水準で相関関係が認められた。一方,腐植化度と理化学的性質の間には,全燐量,CEC,置換性塩基総量,塩基飽和度およびpH(KCI)を除き,腐植化度60以下の試料についてのみ0.1〜5%有意水準で相関関係が認められた。分解度の指標である繊維含量および腐植化度と最も関係深い理化学的性質は,C/N比,有機物当りの全窒素量および仮比重などであった。
帯広畜産大学の論文
1979-05-18

北海道における泥炭土壌の化学的性状に関する研究(第4報) : 泥炭土の一般理化学性

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