看護学生の皮下注射と筋肉注射の技術習得上の課題

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概要

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A大学2年次学生58人を対象に,皮下注射と筋肉注射の技術チェックを行い,それぞれの注射技術の技術習得状況を評価した.その結果から看護学生の皮下注射と筋肉注射の技術習得上の課題を明らかにし,教育方法を検討した.皮下注射・筋肉注射ともに学生の技術習得の割合(技術習得率)が低かったのは,「注射部位の選定」の項目であった.また,筋肉注射においては,「注射針の刺入角度・長さの判断」の項目の習得率も低く,学生が曖昧な判断根拠や基準のままに注射を実施していて,知識と技術が乖離していることが考えられた.学生が,正しく安全な注射部位を選定し,目的とする組織内に確実に注射針を刺入するためには,解剖学等の基礎知識の強化と基礎知識の活用を促進させる関わりが必要と考える.患者を安楽な体位に整える,身体露出へ配慮する,患者へ適切に声かけを行うなどの項目についても学生の技術習得率が低かった.注射技術だけでなく,看護の実践過程として必要なケア内容を学生に意識させる教育方法が課題である.

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