青刈りトウモロコシの生産力と根の生育 : 第1報施肥量と培土の影響について

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トウモロコシの生産力と根の生育は栽培条件によってかなり異なるものと考えられる。本試験は施肥量と培土がトウモロコシの生産力と根の生育にいかなる影響を及ぼすかについて,ポットと圃場をつかって(培土については圃場のみ)調査を行なった。その結果は次の通りである。1.本研究に用いた黒色火山灰土壌のためポット試験では燐酸の効果が大きく,燐酸多肥区が茎葉重,根重ともに最大で,窒素,加里の効果は少なかった。ポット試験の場合,圃場試験に比較して茎葉重に対する根重の割合が大きい。圃場試験では無肥区の茎葉重は施肥区の約1/2,根重は約1/2〜1/3である。施肥区で気根を剪除した場合には倒伏して約30%ほど減収した。2.培土の影響については,茎葉重は培土区が多く,根重は逆に無培土区が多い。培土した場合,根重は少なくなるが,ひげ根の分化の時期が早く,生育の初期から吸肥能力を持つために茎葉の生育が旺盛であった。3.三要素含有量はポット試験では施肥量に支配されてN,P,Kそれぞれ多肥区が最も多く,圃場試験では無肥の場合,無培土区に比較して培土区の三要素含有量が多いが,施肥した場合,両者の差が少ない。また,気根からの吸肥がかなり多いことが気根剪除区の含有量から明らかになった。4.全重と葉重,茎葉重と根重との相関係数は圃場の施肥培土区を除いて,ポット,圃場の各試験区ともに5%水準で有意性が認められた。圃場試験の場合,茎葉重と根重との相関係数は培土区と無培土区との間では有意性が認められなかった。5.気根の数は生育の旺盛なものほど多い傾向を示した。
日本草地学会の論文
1968-12-20

青刈りトウモロコシの生産力と根の生育 : 第1報施肥量と培土の影響について

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