視覚情報を用いた傾き角の検出
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概要
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近年、ロボットの姿勢制御技術は二足歩行が可能なヒューマノイドロボットの開発等により、制御技術の精度は非常に向上している。現在の移動可能なロボットの多くは、姿勢制御を行うためにジャイロ機器を搭載している。しかし、ジャイロ機器に対する衝撃や外部環境が検出に影響することが考えられる。そのため、強い衝撃や磁気の発生する環境、頻繁に振動が発生する環境では、検出精度の低下が考えられる。姿勢制御技術は移動が可能なロボットの多くに使用されている。移動が可能なロボットの使用環境の一例として、人間では進入が不可能な危険な場所や非常に狭い場所での探索が挙げられる。このような環境では、比較的姿勢が安定するロボットであっても、転倒を防止するために姿勢制御を行う必要がある。また、より狭い場所でも活動を可能とするために、ロボット自身の小型化が進められている。しかし、ロボットの小型化を行うことによりジャイロ機器の搭載が困難になることが考えられる。さらに、ジャイロ機器は小型化を行うことで検出精度の低下が起こり、外部からの影響も受けやすくなる。そのため、ジャイロ機器の小型化には限界がある。また、ロボットは小型化を行う際にバッテリの容量も制限される。そのため、ロボットに搭載する機器の省電力化を行う必要がある。しかし、ジャイロ機器は検出に電力を必要とするため、ロボットの活動時間が短くなる等の電力の問題が考えられる。人間は周囲の状況を把握する際に、多くの情報を視覚より得ている。そのため、人間が操縦し探索を行うロボットにもカメラ等を搭載することで、操縦者が容易に探索状況の把握が可能になる。また、カメラの小型化も進んでおり、ロボットの小型化を行った場合でも容易に高性能なカメラの搭載が可能である。これらの理由から、探索に使用するロボットの多くにカメラなどの視覚機能が搭載されている。そのため、ロボットの小型化により搭載が困難となるジャイロ機器の代わりに、視覚機能を用いることで新たに検出機器を搭載することなく傾き角の検出が可能となり、ロボットの小型化を行う際に有利となると考える。そこで本研究では、ロボットに搭載された視覚機能より撮影した動画像からオプティカルフローを検出し、そこで得られた速度ベクトルの向きより傾き角の検出を行う手法を考案する。
- 近畿大学の論文
- 2004-09-30
著者
-
長江 貞彦
Department of Electronic Systems and Information Engineering, Kinki University
-
長江 貞彦
近畿大学
-
長江 貞彦
Department Of Electronic Systems And Information Engineering Kinki University
-
上林 俊樹
近畿大学
-
上林 俊樹
Department of Electronic Systems and Information Engineering, Kinki University
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