微分像用バイナリーフィルターの設計と製作(その1)
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概要
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本研究は、来るべきOpto-computing時代の到来を見込んで、あえてanalog的な光学系にdigital的なフィルタを設計し、画像に微分演算を行うことを試みたものである。一般に、物体を単色光で照明し、その像を作るとき、その結像光学系を再回折光学系という。本研究における理論および実験はすべて近軸光線の条件を満たす再回折光学系によるものとし、光源はレーザー光のようなcoherent光源を用いるものとする。さて、結像系を情報通信理論の立場から考えると、その取扱いが簡単となり、種々の問題に対して有効な働きを示すことが多い。いま、coherentに照明された結像系において、通信系における時間軸を光学系の空間軸に対比させ、物体を透過した波面の振幅分布を入力、像面における波面の振幅分布を出力と考えると、光学系を一種の線形伝送系とみなすことができる。そこで、この伝送系の特性を積極的に変えるため、空間フィルタ(spatial filter)を光学系のスペクトル面、すなわち物体直後のレンズの後側焦点面のFraunfoher回折面に挿入すると、物体と像面との振幅透過率分布の間に、種々なる数学的演算が可能となる。本研究ではこの演算の一つとして、光学的微分演算の原理と、それに必要な光学的微分filterの設計と製作を行なった。また、簡単な実験により、その性能評価について考察した。その結果、原理的には、バイナリーフィルタが有効であり、今後オプト・コンピューティングにも十分な活用が可能であることがわかった。
- 近畿大学の論文
著者
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長江 貞彦
Department of Electronic Systems and Information Engineering, Kinki University
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長江 貞彦
Department Of Electronic Systems And Information Engineering Kinki University
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