核スピン5/2エネルギー準位±3/2〜±5/2間の遷移にもとづく粉末核四極共鳴ゼーマン効果の研究 : 吸収信号波形計算とシミュレーション
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概要
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核スピン5/2を含む試料の核四極共鳴(NQR) では, エネルギー準位±1/2-±3/2間と±3/2-±5/2間の2本の吸収線があるので, その共鳴振動数を測定するだけで, 核四極結合定数(E)と核の位置における電場勾配の非対称定数(η)を求めることができる。また, 粉末試料を用いた場合, 2本の吸収線うちの低いほうの1本の吸収線とそのゼーマン効果を測ることで, 吸収線の形から, Eとηが求まることがわかっている。ここでは高いほうの1本(準位±3/2-±5/2間の遷移) について, 粉末試料NQRゼーマン効果(PZNQR) の予測吸収波形の計算とコンピュータシミュレーションを行い, ηと波形の関係について考察した。その結果, η=0で静磁場Hoと振動磁場Hrの角度B=0°の場合, 伏せ御椀型の波形の中央に一つのピークが生じ, ηが大きくなるとそれにともないピークが二つに分かれて離れていくことがわかった。またB=90°の場合は, ピークを少し残しながら両サイドに二つの肩を持つ鞍型波形を作ることがわかった。For the nuclear quadrupole resonance of a sample with a spin 5/2, there exists two absorption lines due to the energy levels between ±1/2-±3/2 and ±3/2-±5/2, so that it is able to determine the quadrupole coupling constant (E) and the asymmetry parameter (η) at a nuclear cite only from the observation of the resonance frequencies. In this issue, for the higher one (due to the transition levels between±3/2 and±5/2) of two frequencies, we calculated for the expected absorption wave forms of a Powder Zeeman NQR (PZNQR) and made its computer simulation. and discussed the wave forms concerning η.As a result, it is found that a peak appears at the middle of a bowl-type wave form under two magnetic fields (a static magnetic field and an oscillating magnetic field) in a same direction, and splits into two peaks as wide as the magnitude of η. In the case that the two magnetic fields are set at right angle, the wave form has shoulders at the both sides of the wave form like a saddle leaving the small peaks.
- 2007-07-30
著者
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