齲蝕の臨床診断とDIAGNOdent^<TM>計測値の信頼性に関するコンタクトマイクロラジオグラムとの比較研究

概要

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齲蝕の治療を行うにあたり,齲蝕部位の病理組織学的診断を行うことは実際に不可能である。そのため,実際に行われている臨床診断の精度は明らかでない。本研究の目的は,ふだん行われている診査方法による臨床診断の信頼性,および術者間における診断の変動についてin vitroで調べることである。臨床診断にはエアーシリンジを用いた視診,探針による触診,それにエックス線診が使われた。試験には抜去歯が用いられ,臨床診断とコンタクトマイクロラジオグラム(CMR)による最終診断が比較された。レーザー型齲蝕検出装置であるDIAGNOdent^<TM>も客観的に臨床診断を行う方法として検討を行った。その結果,臨床診断のうち81%がCMRによる最終診断と一致した。4名の歯科医師の特異度はC_1で0.8から1.0,C_2で0.63から0.88だった。敏感度はC_1で0.5から0.83,C_2で0.88から1.0だった。Kappa係数は0.45から0.66だった。DIAGNOdent^<TM>と最終診断の一致率は50%だった。結論として,術者間の再現性は必ずしも高くはなく,共通の診断方法を使った場合でも術者によって臨床診断は変化するように思われた。したがって,臨床診断と最終診断は81%が一致したが,より正確な臨床診断を行うためにはさらなる研究が必要と思われる。一方,単独のDIAGNOdent^<TM>計測値は現在のところ,臨床診断ほどには信頼できないものだった。
岩手医科大学歯学会の論文
2007-04-25

齲蝕の臨床診断とDIAGNOdent^<TM>計測値の信頼性に関するコンタクトマイクロラジオグラムとの比較研究

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