日本とインドネシアとのスピリチュアルケアの比較研究 : 医療現場における「死後の処置」に焦点を当てて
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概要
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背景 宗教的土壌が多種多様な日本の医療(看護)現場では、形而上的要素が強く影響してくる人間学的側面へのケアが黙止されがちである。そのため、人間学的側面への系統的ケア、いわゆるスピリチュアルケアが不明瞭なままとなっている。目的 宗教的基盤が明確な医療現場で実施されているスピリチュアルケアに参入して、日本の看護師が行っている「死後の処置」を相対化しその人間学的意義を顕在化させる。方法 イスラーム・ジャカルタ病院(Rumah Sakit Islam Jakarta)の宗教医療部準メンバーとなり、スピリチュアルケアに関して参与観察する。結果 日本の医療現場における「死後の処置」は、「医療業務(ルーチン)」「患者への最後の看護」「患者やその家族への礼節」「慣習(しきたり)」が主目的であり「現世(医療)と切り離す場」である。一方、インドネシアのムスリムにとっての「死後の処置」はスピリチュアル活動の一環であり、患者とその家族を含む関係者全員がひとつに結ばれているという「絆を再確認する場」であった。結論 日本での「死後の処置」の場面にスピリチュアルな看護ケアを求める場合、以下のような人間学的意義をもつ。1.「場」の共有2.「喪の作業」の促進3.「共同行為者」としての役割4.「死(という出来事)」への対処5.「片づけ(処理)ではなく手当て」としての処置
- 2004-03-31
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