文章完成法によるspirituality評定尺度の開発
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概要
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背景 15項目5件法によるspirituality評定尺度(SRS-A)を用いた要因分析研究が、「透析外来患者22名と看護師13名」および「在宅療養者20名とその介護者20名」を対象に行われた。その先行研究によると、SRS-Aの影響要因として、【何よりも一番したいことは(Q1)】【一番の支えになるものは(Q2)】【周囲に対して強く感じていることは(Q3)】【自分のこれからは(Q4)】【病とは(Q5)】が示唆されている。目的 本研究の目的は、先行研究の分析結果を踏まえ、文章完成法によるspirituality評定尺度(SRS-B)を開発することである。方法 spiritualityについては、「何かを求めそれに関係しようとする心の持ち様であり、また自分自身やある事柄に対する感じまたは思い」と規定した。SRS-Bの質問項目は、【Q1】【Q2】【Q3】【Q4】【Q5】の5項目で構成し、SRS-Bの評定については5項目の回答内容を「否定的:0点」「中性的:1点」「肯定的:2点」と分類・数量化しその合計点によって示した。調査対象は、看護師162名(女性86名:38.34±9.17歳,男性76名:33.79±6.69歳)とし、全員にSRS-AとSRS-Bを実施した。結果 カテゴリカル回帰分析の結果、【Q1】【Q2】【Q3】【Q4】【Q5】はSRS-Aの影響要因であることが確認された(R^2=0.25, p<0.001)。また、SRS-AとSRS-Bには弱い正の相関関係が認められた(r_s=0.32,p<0.001)。SRS-Bの尺度としての信頼性については、クロンバックのα係数0.62とガットマン-折半法の信頼性係数0.65で確認された。結論 以上の結果から、SRS-Bが実用可能な尺度であると判断した。
- 滋賀県立大学の論文
- 2006-03-31
著者
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