アコヤ貝成熟骨形成因子2の大腸菌における発現・精製とコドン使用頻度の比較
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概要
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アコヤ貝骨形成因子2の成熟領域全体をコードするcDNAを発現ベクターpGEX4T-2にクローニングし、大腸菌BL21でグルタチオントランスフェラーゼとの融合タンパク質として発現を試みたが、成功しなかった。融合タンパク質が発現しないのは成熟タンパク質のN末端部分にアルギニンが多数存在しており、その対応コドンであるAGA,AGGおよびCGGが大腸菌では殆ど使用されないことに起因すると考えられる。アルギニンが多数存在する部分は重要な機能領域ではないと予想されるため、cDNA領域からその部分を欠落させ、発現ベクターpGEX4T-2にクローニングして再度大腸菌BL21で発現を行った。その結果、IPTG添加誘導により予想される大きさ35kDaの融合タンパク質が大腸菌内で大量に合成された。融合タンパク質はグルタチオンセファロース4Bによる親和性クロマトグラフィーで精製した。さらに、樹脂に融合タンパク質を結合させた状態でトロンビンを添加し、グルタチオントランスフェラーゼと成熟BMP-2タンパク質を切断し、溶出により成熟BMP-2タンパク質を精製した。
- 近畿大学の論文
- 2006-09-30
著者
-
宮下 知幸
近畿大学生物理工学部生物工学科
-
高木 良介
近畿大学生物理工学部遺伝子工学科
-
加藤 弘隆
近畿大学生物理工学部 遺伝子工学科
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宮下 知幸
近畿大学生物理工学部遺伝子工学科
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宮下 知幸
近畿大学生物理工学部
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