炭酸脱水酵素ナクレインはカルシウム結合性タンパク質である
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概要
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ナクレインはアコヤ貝の硬組織に存在する炭酸脱水酵素である。この酵素は一般の炭酸脱水酵素には存在しない長い繰り返し構造を持つことから硬組織形成に必要な重炭酸イオンを供給するばかりではなく構造タンパク質として機能していることが予想される。ナクレインのカルシウム結合能を調べた結果、カルシウム結合性であることが解った。結合部位はGly-Xaa-Asn((Xaa=Asp, Asn, or Glu)を基本とした繰り返し領域と予想され、ナクレインはこの領域と炭酸カルシウム結晶表面との相互作用を介して、結晶成長や形態の調節に関与すると考えられる。
- 近畿大学先端技術総合研究所,キンキ ダイガク センタンギジュツ ソウゴウ ケンキュウショ,Kinki daigaku sentangijutsu sogo kenkyushoの論文
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