真珠層形成に関与するPearlin遺伝子の大腸菌における発現
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概要
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継続後誌:近畿大学先端技術総合研究所紀要 = Memoirs of Institute of Advanced Technology, Kinki University真珠真珠層は主成分であるアラレ石構造の炭酸カルシウム結晶と有機質から形成される。この構造形成は有機質を構成するEDTA可溶性およびEDTA不溶性タンパク質により調節されている。EDTA不溶性マトリックスから抽出された質量15kDaの酸性タンパク質Pearlinは硫酸基が結合した糖鎖を持つ糖タンパク質であり、真珠層形成において重要な役割を果たしていると考えられる。PearlinのcDNAを大腸菌の発現ベクターpGEXにクローニングし、IPTG添加により誘導発現させたところ新たなタンパク質が発現した。このタンパク質はPearlinに対する抗体で免疫染色されることからPearlinとGST(グルタチオン-S-トランスフェラーゼ)との融合タンパク質であった。 (英文)A nacreous layer of pearl is composed of aragonite crystal and an organic matrix. The organic matrix consists of EDTA-soluble and insoluble fractions. It is thought that these fractions regulate the formation of elaborate shell structure. Pearlin extracted from EDTA-insoluble fractions has a molecular weight of about 15 kDa and contains a sulfated mucopolysaccharide. In this study, we have cloned the Pearlin cDNA in an E..coli, glutathione-S-transferase (GST) expression vector, under the control of IPTG-induciable Tac promoter. The induction of the Tac promoter with IPTG in E..coli transformed with the cloning vector resulted in the synthesis of a new prorein. Since the protein was stained with rabit IgG for Pearlin, a new prorein is a fusion protein of glutathione-S-transferase and Pearlin.
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