炭酸脱水酵素ナクレインの炭酸カルシウム結晶形成阻害作用
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概要
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貝殻硬組織は炭酸カルシウム結晶の多形である方解石またはアラレ石と有機質から構成され、貝殻の精巧な構造形成を制御している有機質はEDTA可溶性分画と不溶性分画からなる。代表的な可溶性分画のタンパク質であるナクレインには構造的に、二つの機能的ドメインが存在する。一つは炭酸脱水酵素であり、もう一つはGly-Xaa-Asn(Xaa=Asp, Asn, orGlu)の繰り返しからなるドメインである。この繰り返しドメインの機能を解析するために、炭酸カルシウムの沈殿形成および結晶形成に対する影響をin vitro実験系で解析した。その結果、ナクレインは結晶形成を強く阻害した。このことよりGly-Xaa-Asnの繰り返しドメインは結晶成長を抑制的に制御していると推測される。
- 近畿大学の論文
- 2004-09-30
著者
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高木 良介
近畿大学生物理工学部遺伝子工学科
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宮下 知幸
Department of Genetic Engineering, Kinki University
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岡本 敦史
Department of Genetic Engineering, Kinki University
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高木 良介
Department of Genetic Engineering, Kinki University
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宮下 知幸
近畿大学生物理工学部遺伝子工学科
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岡本 敦史
Department Of Genetic Engineering Kinki University
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