ヌードマウスに継代移植されているヒト肝細胞癌の脂肪酸に関する研究
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概要
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非生理的脂肪酸である5,8,11-アイコサトリエン酸〔20:3(n-9)〕の肝細胞癌組織における出現の機序を明らかにする目的で,ヌードマウスに移植した3系統のヒト肝細胞癌株(HCl,Alex,Li7)の組織および対照として担癌ヌードマウス肝組織の脂肪酸組成を比較した。また,Li7担癌ヌードマウスの静脈内に〔1-^<14>C〕オレイン酸を投与し,その脂質各分画への取り込みと不飽和化率について検討した。その結果,ヌードマウスに移植された腫瘍の総脂肪酸には0.1-0.5%の20:3(n-9)が存在したが,担癌ヌードマウス肝では認められなかた。また,20:3(n-9)は必順脂肪酸欠乏状態でも増量するが,腫瘍部における必須脂肪酸の減少は証明されなかった。一方,静注された〔1-^<14>C〕オレイン酸のLi7への取り込みは,担癌ヌードマウス肝のそれの6.9%と少なかったが,不飽和化反応により生成されるジェンの割合はLi7で1.4%,担癌ヌードマウス肝で0.9%と,Li7において高率であった。以上の実験成績から,ヒト肝細胞癌組織における20:3(n-9)の出現は腫瘍内における局所性の必須脂肪酸欠乏によるものではなく,高度不飽和脂肪酸の生合成系における調節機構の欠如など,調節機構自体の何らかの異常に基ずくものであることが示唆された。
- 千葉大学の論文
著者
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岡崎 伸生
国立がんセンター
-
岡崎 伸生
国立がんセンター病院内科
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荒木 英爾
国立がんセンター内科
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荒木 英爾
国立がんセンター病院臨床検査部生化学
-
吉田 孝宣
千葉大学医学部内科学第1講座
-
吉田 孝宣
千葉大学医学部内科学第1講座:(現)国立がんセンター病院内科
-
荒木 英爾
国立がんセンター
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