小児期に多く認められるブラキシズム : 新たな消化器内科学的考え方について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ブラキシズムとは,咀嚼筋群が何らかの理由で異常に緊張し,上下の歯を無意識にこすり合わせたり,くいしばったり,連続的にカチカチとかみ合わせたりする習癖で,歯科医学の分野では,異常機能活動(parafunction)と考えられている.また,睡眠医学の分野では,睡眠時ブラキシズムは睡眠時随伴症(parasomnia)に分類されている.ブラキシズムは,歯ぎしり音による同居者への睡眠妨害の他に,歯の咬耗や楔状欠損等に起因する知覚過敏,補綴物の破損,歯周病の悪化,歯根吸収,歯肉退縮,咬筋肥大,咀嚼筋の疲労感やこわばり,一時的な頭痛および顎関節症等の様々な口腔疾患を引き起こすことが報告されている.さらに,ブラキシズム患者は子供に多く認められ,その後経年的に頻度が低下すると報告されている.ブラキシズムの関連因子として,これまで,微小覚醒などの睡眠時の覚醒現象,睡眠時無呼吸,脳内神経伝達物質,喫煙,カフェイン摂取,ストレス,遺伝的・家族的要因,身体運動ならびに体位などが報告されてきた.これらに加えて,私共はブラキシズムが嚥下や胃食道酸逆流と関連があるかもしれないことを報告した.本稿では,このようなブラキシズムに関する基礎的なことに加えて,新たな消化器内科学的考え方について記す.
- 2006-10-30
著者
-
宮脇 正一
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科健康科学専攻発生発達成育学講座顎顔面育成学分野
-
宮脇 正一
岡山大歯
-
宮脇 正一
鹿児島大
-
宮脇 正一
岡山大学 歯学部 共用総合試験部会
-
宮脇 正一
鹿児島大大学院発生発達成育学講座顎顔面育成学分野
-
宮脇 正一
岡山大学大学院医歯学総合研究科 機能再生・再建科学専攻 顎顔面口腔矯正学分野
-
宮脇 正一
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科
関連論文
- 小児期に多く認められるブラキシズム : 新たな消化器内科学的考え方について
- 6.質問紙調査による骨格性II級ハイアングル不正咬合患者の胃食道酸逆流症状(一般口演,第41回学術大会)
- ITの活用と導線の工夫などによる客観的臨床能力試験(OSCE)の新たな人的資源削減の試みとその効果
- 311 咀嚼筋の作用を受ける顎関節の有限要素法による応力解析(OS11-2 骨格系のモデリングと解析)(OS11 計算バイオメカニクス : バイオエンジニアリング部門との合同企画)
- 237 有限要素法による顎関節の力学的検討
- 403 開口状態を異にする関節円板の位置を考慮した顎関節の有限要素法による応力解析(OS3-1:硬組織のバイオメカニクス(1),OS3:硬組織のバイオメカニクス)
- 537 有限要素法による両側咬合力を受ける前方転位した関節円板を有する顎関節の力学解析(OS6-3:硬組織のバイオメカニクス,オーガナイズドセッション6:硬組織のバイオメカニクス)
- 1206 関節円板が前方転位した顎関節モデルの3次元有限要素法による力学的解析(S12-2 個体別モデリング(2),S12 個体別モデリング)
- OSCE評価シート自動採点・集計システムの構築
- ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を利用して同期と制御を行うOSCE進行プログラム"Dolphin"
- 片側性完全唇顎口蓋裂患者における 5-Year-Old Index による咬合評価
- 客観的臨床能力試験(OSCE)のステーション間におけるコミュニケーション技能の関連性について
- 舌側矯正装置を用いた効果的な治療法について
- 睡眠時の食道内酸刺激が咀嚼筋活動に及ぼす影響
- 障害児の咬合接触状態および咬合力分布について
- 奈良県立医科大学口腔外科開設後 20 年間の矯正治療患者の実態調査
- 高齢者の顎顔面骨折に関する臨床的検討
- 卒後臨床研修における顎関節 MRI 読影トレーニングの一方法
- アルブライト症候群患者の顎顔面形態の長期観察
- 客観的臨床能力試験 (OSCE) の医療面接部門における評価に影響を及ぼす因子の検討
- 説明系OSCE開始直後の評価の信頼性
- 歯科矯正臨床におけるチタンスクリューの応用
- 大学生564名における歯および歯列弓の形態的特徴
- 外科的矯正治療を適応した骨格性下顎前突症の1治験例 : 咬合接触状態の評価
- 歯の自家移植後矯正治療と補綴治療を行った大臼歯欠損成人症例
- 0316 開口量の変化に伴う前方転位した関節円板を有する顎関節の有限要素法による応力解析(OS33:デンタル・バイオメカニクス)
- 3. ブラキシズムの新たな関連因子(シンポジウム,第46回日本心身医学会九州地方会演題抄録(1))
- 英語原著論文を用いた岡山大学歯学部5年次生への教育について : アンケートからの考察
- 睡眠時ブラキシズムの新たな関連因子 : 嚥下と胃食道酸逆流
- 上顎歯列の側方拡大と骨移植後に Le Fort I 型骨切り術を行った片側性唇顎口蓋裂を伴う骨格性下顎前突症例の1治験例