介護老人保健施設におけるリハビリテーションの新しい取り組み : 自主参加型リハビリテーションへの参加状況が心身機能に及ぼす影響

概要

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当施設では、希望者には頻回にリハを提供することを目的に、リハをしたい時に参加できる自主参加型リハビリテーション(以下、自主参加型リハ)を導入した。本研究は、自主参加型リハの参加状況(低参加率群/高参加率群)が認知症の程度、身体活動能力、QOL、転倒状況にどのような影響を及ぼしているかを検討した。対象は、当施設に平成16年4月〜平成17年3月までの1年間、継続して入所していた59名中、自らの意思で自主参加型リハに参加した30名であった。調査項目は、自主参加型リハ1年間の参加状況、導入後1年間の認知症の程度の変化、身体活動能力の変化、QOL-Dの変化、転倒回数の5項目とした。自主参加型リハへの参加状況は、55%未満14名(低参加率群)、55%以上16名(高参加率群)であった(平均参加率:55.6%)。自主参加型リハ高参加率群のほうが身体活動能力は維持できていた(P=0.02)。積極的にリハへ参加することで、身体活動能力が維持できると考えられた。QOL-Dも参加状況と関連があり、高参加率群のほうがQOLは高くなった(P<0.001)。これらのことから、頻回なリハへの参加は身体活動能力・QOLの維持・向上に関係していると思われた。
聖隷クリストファー大学の論文
2006-03-31