カオスリカレントニューラルネットを用いた環境時系列データの学習・予測

概要

論文の詳細を見る
本報告では,カオス・フラクタル的な時系列の予測手法としてカオスニューロンを用いたリカレントニューラルネットワークを提案し,従来の手法に比べ,カオスニューロンを導入することで予測性能を向上させることを目的とする.また,実際の積雪量データにこの手法を適用し,気象時系列の予測も可能であることを示す.Lorenzモデルから生成される時系列データと積雪量データを用いて評価を行った結果,従来のシグモイドニューロンを用いるより,カオスニューロンを用いたほうが学習時の誤差,予測時の誤差,共に一桁程度小さく,カオスニューラルネットワークを用いた提案手法の方が精度の良い学習・予測ができることが確認できた.また,実際の長岡市の積雪量の時系列データに対して,学習・予測を行い,この予測手法を用いることで気象時系列の予測も可能であることを示した.さらに,積雪量データをトレンド成分と差分データに分けてそれぞれの時系列においてネットワークを構成することでさらにその予測精度を向上させることができた.
2006-11-06