エアークリーナーの除塵性について
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概要
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エアークリーナーの除塵性能は発動機の命数を著しく左右するので, 現今広く用いられている代表的クリーナーエレメントの性能を検討した.(1)r.p.m.および負加の増加に応じて除塵率は低下する.またエレメントの種類, 発動機の調整によりかなり変化する.4種の中, 木屑は最良の結果を示した.(2)吸気通路内各部の圧力は時間の経過と共に顕著な変動を示すが, これはネル面上への塵砂の堆積による抵抗増加の模様を示すものである.従つて除塵率の低いほど吸気負圧の上昇が大である.(3)クリーナー内に塵砂が溜れば燃費, 吸気損失の外, シリンダー内に塵砂が侵入し易いから, エレメントは時々掃除する要がある.(4)塵砂反撥量の多いことは望ましい.弾力性ある金網, ヘチマに多く, 柔軟な木屑, シユロにおいて少いことは興味ある対照である.(1)除塵性能の見地からエレメント物質は木屑, シユロ, 金網, ヘチマの順に好結果を示したが.反撥塵砂の量を併せ考え, 木屑と金網の二層エレメントが望ましい.(2)エレメントの充填量の増加に応じて除塵率は上昇する.充填量の増加は反面吸気負圧, 燃費率を僅か上昇せしめるが実用的には支障とならない.金網の孔隙率を94%以下にすることは手先の押圧では困難である.(3)クリーナー容積の5%にあたる添加油の効果は甚大である.また油を添加すればエレメント材質間の性能の差異は僅少となる.(4)油を添加したエレメントの反撥塵砂量は僅少であり, 添加油の量, 粘度の如何に余り影響されずほぼ一定である.(5)添加油量が僅少で一定の場合, 油の浸潤性の程度は除塵率を大きく左右する(エレメント空隙が添加油で飽和されない範囲内で).(6)同上条件下では, 添加油の吸塵力は白灯油位の粘度でも支障ないが, 種々の条件を考慮しモビールと白灯油の等量混合がほぼ適当と考えられる.
- 1954-11-30
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