戦後知的障害教育における生活中心教育実践の諸相
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概要
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戦後知的障害教育における生活中心教育実践を、「原初型」「訓練型」「教科型」「子ども主体型」の四つの型に分類した。原初型は、「社会自立」を教育目標として、生活を総体として理解して単元化を図るものであった。訓練型は、原初型に続くもので、教育目標「社会自立」を固定化・偏狭化させ、活動の訓練化を来している。教科型は、1960年代以降に見られたもので、教科等の内容指導の手段として生活中心教育実践をとらえる。子ども主体型は、1970年代後半期以降のもので、教育目標「社会自立」を子どもに即して考え、その子なりの「自立」の実現を図る、子ども主体の「学校生活づくり」を意図する。子ども主体型は、原初型との連続性を強く有する。一方、原初型以降の訓練型の使役的訓練的な側面や、教科型の教科等指導手段という側面への反省的側面を独自性として有し、子ども主体の活動、指導手段ではない本来の生活の重視といった側面を強調する。これらを踏まえ、今後の子ども主体の生活中心教育実践の充実・発展の必要を述べた。
- 植草学園大学の論文
- 2006-03-31
著者
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