看護学生の4年間の輸液技術学習経験状況と課題 : 卒業直前看護技術集中自主トレーニングにおける調査から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
卒業直前の看護技術集中自主トレーニング前後に,看護学生の4年間の輸液技術に関する習得・経験状況を明らかにし,教育のあり方を検討することを目的にアンケート調査を実施した。トレーニングに参加した72名のうち25名より回答が得られ, 1)学内実習・演習では,看護技術学習16項目のうち6項目についての習得状況が7割に満たなかった:「血管内への注射針の刺入」・「三方活栓の操作」・「輸液ポンプの操作」・「シリンジポンプの操作」・「点滴施行中の注意事項の説明」・「点滴施行中の日常生活援助」。2)臨地実習では,滴下数や刺入部の観察などの点滴施行中の管理に関する項目を多く経験していた一方で,点滴の準備や実施に関する技術を経験する機会は少なく,あっても見学のみにとどまっていた。3)トレーニングにより,輸液技術施行への自信の高まりがみとめられた。本研究により,学内で学んだ輸液技術を臨地で経験することを通して学生が卒業前までに正確で迅速な輸液技術を習得しうると考えられ,輸液技術に関する到達目標の明確化や学内実習・演習内容の見直し,また臨地実習施設とのさらなる連携への取り組みの必要性が示唆された。さらに,トレーニングは看護技術教育の補完的な役割を担っており,継続の必要性が明らかになった。
- 大阪府立大学の論文
- 2006-03-01
著者
関連論文
- 卒業前看護技術トレーニングの効果 : 実施直後と就職後1ヶ月のアンケート調査より
- 卒業前技術トレーニングに対する学生の反応 : 卒業前・卒業後の自由記述の分析から
- 卒業前看護技術トレーニングの学生評価
- 卒業前技術トレーニングにおける「採血」についての検討 : 学生の事後評価からその有効性を探る
- 大阪府立大学看護学部における卒業時到達目標の検討
- 看護学生の4年間の輸液技術学習経験状況と課題 : 卒業直前看護技術集中自主トレーニングにおける調査から
- 乳幼児をもつ母親の内的ワーキングモデルと社会支援に対する態度との関連
- 子ども虐待に対する保育士のアセスメントおよび関わりの傾向 : 保育士経験年数の差異における比較
- 入院する子どもへのプリパレーションに対する看護師の認識とその実施状況
- 看護学科学生の子どもとの接触体験および認識に関する調査 : 1983年の調査と比較して(人文社会科学系)
- 卒業前看護学生の捉えた慢性病患者に対する患者教育
- 認知症高齢者の人生暦に関する施設別看護師の認識の比較
- R. M. AndersonとM. M. Funnellによるエンパワーメントに視点をあてた糖尿病患者教育
- 臨地実習前のロールプレイングによる慢性看護学演習の効果の検討
- 模擬糖尿病患者を利用した慢性看護学演習の効果と課題
- 初期2型糖尿病患者の糖尿病と診断されたこととセルフケアに対する思い
- アメリカの看護教員の視点からみた良い看護教育ストラテジー
- アメリカで介護を学ぶ学生を動機づける方法と効果的な看護教育ストラテジー
- 大台ケ原におけるメスのニホンジカ(Cervus nippon) 行動圏の季節的変化
- 慢性閉塞性肺疾患患者の呼吸困難のセルフマネジメント : 概念分析