和牛における性腺の胎生発達に関する研究
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概要
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1和牛における性腺の胎生分化を究明する目的で本研究が実施された.この研究の為に,頂尾長5cm乃至72cmの雄胎児23例,また同じく雌胎児33例が用いられた.本研究においては特に,精巣ならびに卵巣の構造的分化の比較及び副***の分化との関連に留意した.この目的で精巣上体並びに子宮が観察対象とされた.2精巣及び卵巣それぞれ独自の胎生発達相が今回明らかにされた.性腺の胎生発達相は精巣では二期(五段階),また卵巣では三期(六段階)に大別される.精巣の質的分化は胎生の比較的初期に完了し,以後の胎生期間は専ら量的発育をつづける.精巣降下の時期以後重量は著しく増加する.卵巣の胎生分化は漸進性であり,精巣におけるような区分は認められない.卵巣の重量増加は雄の場合に比べかなり遅く始まる.精巣及び卵巣の各構成要素の胎生発達がそれぞれ比較された.3精巣上体並びに子宮は共にほぼ同時に山現する.精巣の重量増加が著しくなるのと同時に精巣上体の重量増加も著明になる.精巣の胎生内分泌は精巣上体の形態発生に貢献すると考えられる.卵巣と子宮の間には重量の面でも,また組織学的分化の面でも雄性々腺の機構に匹敵するような関連性は見出されない.
- 大阪府立大学の論文
- 1961-12-20
著者
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