慢性腎不全を伴う自然発症高コレステロール血症(SHC)ラットにおける上皮小体の組織形態計測学的研究
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概要
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SHCラットの上皮小体を光顕及び電顕的に形態計測した.24週齢の雄性SHCラットでは対照の同週齢のSDラットに比べ,上皮小体の肥大が肉眼的に明瞭であった.上皮小体の連続切片の光顕的形態計測の結果,SHCラット上皮小体の体積は対照ラットの約3倍に増大していたが,上皮小体主細胞の核の平均面積及び単位面積当りの核数はSDラットと変わらなかった.SHCラット上皮小体の有糸分裂細胞数は,SDラットの約8.5倍に増加すると共に,上皮小体の体積と高い相関を示した.電顕的形態計測の結果,SHCラットの上皮小体主細胞ではSDラットに比べ,細胞膜の皺壁形成が著明で,その表面長が増加すると共に,ミトコンドリア及びゴルジ装置の面積も有意に増加していた.分泌顆粒は時折,細胞膜に密接して観察された.これらの結果,SHCラット上皮小体の顕著な肥大は,主に主細胞の分裂増殖による細胞数の増加に起因することを示し,同時に主細胞での上皮小体ホルモンの合成と分泌に関連した細胞小器宮の面積の増加は,主細胞の分泌機能亢進を示唆していた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1989-04-15
著者
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